utenq’s blog

戯言かもしれない

ラーカーが機能するチームの戦術(マクロ)

 

こんにちは。

 昨日、自分のチームのスクリムを見ていてラークについての考えがいい感じに出てきたのでまとめようと思います。あくまで自分個人の考えなので、まあそういう考えもあるよねー程度に見てくれると嬉しいです。

 

 

1,ラークの上手さ≠個人のスキル

 まず、ラークについて皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。やはりラークといえば相手の裏をかくのが上手い、駆け引きが上手い選手が印象的ですよね。海外だとGMBのnAtsやVSのKing、国内だとZETAのLazやCRのRionなどが所謂ラーカーとして有名ですよね。やはり撃ち合い猛者とか、勝負強いとかといった印象を持ちあわせているのではないでしょうか。

 

 

 ですがここで一つ私は皆さんに投げたい質問があります。それは本当にラークの上手さ=個人のスキルなのかという質問です。ラーカーは主に一人で行動しますが、実はラークはチームの戦術、マクロ面と大きく関わりがあり、一概にラークの上手さ=個人のスキルとは言えないと私は思います。では一体どういったところでラークとマクロは関係があるのでしょうか(正直プロレベルだと当たり前に高い個人スキルを多くの選手が持ち合わせているので、それを否定したいわけではありません)。

 

 

 

2,ラークが機能するパターン【2パターン】

 ここでは2パターンに分けてラークが機能しやすいマクロについて話そうと思います。皆さんのイメージとしては攻撃でアセントあたりをイメージしてもらえるといいと思います。

 

 

①1-4の配置の時 その1

1,チームの主導体(4)がサイトに対して大きく圧をかける

2,相手はそれに対応するためにサイトに人数を寄せる

3,人数の薄くなったサイトもしくはミッドから裏をとる(1)  

 

 のような流れです。これはランクとかでもよく刺さるやつです。サイトに寄った相手の裏をとる形です。

 

1~2                  

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2~3

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線‐アクションが起きてるところ

 

 

②1-4の配置の時 その2

1,チーム主導体(4)がサイトに対して大きく圧をかける

2,相手はそれに対応するためにサイトに人数を寄せる

3,人数の薄くなったサイトもしくはミッドの高いエリアまで確保する(1)

4,味方(4)が逆サイトに切り返す判断をする

5,味方(4)が逆サイト側に圧をかける

6,逆サイトまたはミッドに配置しなおそうとした相手を排除する(1)

 

 これは最初の主導体がフェイクあるいは切り返すという判断をした際に、ラーカーの情報をもとに攻める場所を変えるパターンです。これは切り返す判断をしているので必然的にラーカーがチームの先頭に切り替わり、主導体の合流あるいは逆サイトへの侵入を待つ形になります。ここでラーカーがどこまで情報をとれているか、あるいは耐えられるかで攻撃の成功率が決まります。

 

1~2

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3~4

f:id:utenq:20220119194420p:plain5~6

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 個人的な考えですが、ラークは基本的にこの二つの形に帰結すると考えています。試合状況にもよりますが、相手の戦局をかき乱すラークはすべてこのように機能します。

 

 

 

3,ラークが機能しづらいパターン

 

 ここでは、前の段落に対してラークが機能しづらいパターンについて話そうと思います。

 

 

①詰め待ち

1,チーム全体で相手の詰めを待つ

 

 基本的にこの配置の時は相手からのアクションを待つ形、あるいはマップ全体に弱いアクションをかける形になるので、相手の注意がマップ全体に向き、ラークは機能しづらいです。また、どこかでキルが発生しても、味方がサイトにアクションをかけるための人数をすぐに寄せられないので、多くの場合膠着状態が続きます。

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4,マクロからラークを考察する

 

 2,3の段落で説明したようにラークには機能しやすいパターン、そうでないパターンがあります。ではいったい、ラークが機能しやすいパターンにはどのような法則があるのでしょうか。それはずばり、チーム全体によるヘイトコントロールです。とても単純なことではありますが、ここが一番大事なんです。

ヘイトコントロール 簡単に言うと相手の注意をどこに向かせるかということ

 

では、2,3段落の例を使って実際に考えてみましょう。

 

 

 2段落の①でいうと、Aメインからサイトに向かって相手のヘイトが集まり、逆にBサイトからミッドのヘイトが薄くなっています。

f:id:utenq:20220119204109j:plainピンクヘイト 白ヘイト弱

 


 また、2段落の➁ではAメインからBメインにヘイトが移り、ミッドのヘイトが薄く、メインのヘイトが強まります。(正直なところ、AメインからBメインへの切り返しが遅いと、ミッドの警戒も高まってしまうので状況にもよる)

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 3段落に関してはわかりやすいですよね。ヘイトがマップ全体に向いているのでラーカーが入り込む余地がありません。

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 このように、ラークを通すにはチームによるマップのヘイトコントロールを意識するのが大切です。またラーカーは、味方のヘイトコントロールでできたヘイトが薄いエリアを見極めてエリアに侵入する必要があります。これより、一番始めに述べたラークの上手さ≠個人のスキルということが言えるのではないでしょうか。わかりやすく言い換えると、個人的なスキルの前にちゃんとこういったチームの戦術があって、ラークは成立しているということです。

 

 

 

5,ラーカーに必要な能力

 まあここまではラークの上手さ≠個人のスキルということを長々と話してきたわけですが、ここでは、本当にラーカーに必要とされている能力を話そうと思います。

 

 

①ラウンド間の緩急

 毎ラウンド相手の裏を取りに行っても相手からするとバレバレなので脅威にはなりえません。時には主導体のサポートに回ることも重要です。

 

➁相手の罠にあえてかかる

 よく敵のキルジョイのボットやサイファーのワイヤーなどがマップに配置されていますよね。味方がサイトに攻め入るタイミングにあえて罠にかかる(違う場所でヘイトを買う)ことで、相手の味方へのヘイトをこちらに向けさせることができます。そこから裏をとる、あるいは主導体のサポートに戻るにしろ、相手はラーカーの位置を補足するまで裏にリソースを割かざるを得ません。

 

③情報をとる

 味方のアクションで相手が逆のサイトを離れた音が聞こえたり、自分がどこまで情報をとれているか味方に伝えることが非常に重要です。自分がどのくらいで裏をとれるか、あるいは味方に切り返すよう指示することで、チームの攻撃を有利に進めることができます。裏取りが遅かったり、十分な情報がないまま主導体がサイトにエントリーしてしまうと、主導体が不利な戦いを強いられる危険性があります。

 

④対策の対策

 同じラークを通していると、相手に警戒されていたり、罠が置かれていることがあります(だいたいそう)。その場合、味方に罠を壊してもらう、スモークをもらうなどして同じルートでも手札を増やすといいかもしれません。対策の対策を講じることで、相手の不意を突くことができます。

 

 

 簡単にまとめると自分にどのくらいヘイトを集めるかということですよね。主導体にヘイトを買ってもらって裏取りを完遂するのか、あるいは自分でアクションを起こしてヘイトを買うことで、主導体のエントリーを助けるのか。だいたいコンペティブとかだと前者の方をよく見かけますが、後者にも状況によっては相手に抜群に効くと個人的には思っています。また、スクリムなどでラーカーの情報を頼りに主導体が素早く切り返す練習ができていれば、より安全な攻めが実現できるかもしれません。

 

 

 

6,まとめ

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。相手の配置がリテイク配置と賭け守りの配置の場合のラークについては少し話が例外的でややこしくなるかなと思ったので省いてしまいました。よかったら皆さんで考えてみてください。今回はどちらかというとコンペティブなどよりはチームのスクリム向きかなと思ったのですが、マップ全体のヘイトを意識するといった点ではコンペティブにも応用できるのではないでしょうか。ヘイトがマップのどこに向いているのかという簡単なことではありましたが、実際のインゲームになるといろいろな要素が増えるので見極めるのはとても難しいですよね。しかし上手く利用できれば戦術に幅を持たせて相手を試合を通して揺さぶることができるので意識しておいて損はないと思います。逆に自分が守り側になったときに上手く相手のラークや主導体を見切ることも大事ですよね。またこれも記事にしたいと思ってます。

 

感想 何となく書いていて、こういうことも書きたいなーとか、何か大事なことを書きそびれてそうだなーとも感じたので良かったら読んでくださった方の感想や知見をいただけるととてもうれしいです。また自分でも書きたいことや書き残したことが見つかれば随時更新できればと思っています。ゲームのことだけでなく、記事の構成や文章についてでもとても助かります。質問などがあれば何なりと答えますのでお気軽に。ふんわりとですが次回書きたい内容についても構想しているので良かったら今後もみてみてね。

                       f:id:utenq:20220120023953j:plain 2022/1/20 utena.